Rainy days never stay~心の傷痕~
ヒューーーーーーーーーーー
やかんからお湯の沸く音がする。
この部屋に似つかわしくない、昔ながらのこのやかんが私は好きだ。
私は茶葉を入れたポットにお湯を注ぐ。
「良い香り。」
彼が丁度着替えから戻ってきた。
私の腰に腕をまわし、後ろから抱きつく。
そして、私の耳の辺りに顔を埋めた。
「陽樹さん、・・・危ない。お湯零れちゃう。」
「あっ、ごめんごめん。
じゃあ、これリビングに持ってくな。」
「うん、お願いします。」
空港で無事再会した私たちは、一緒に夕飯を食べて彼のマンションに戻ってきた。
お互いのこと、ちゃんと話をするために。
もう覚悟は出来ている。
何を聞いても、彼を信じるって決めたから。