Rainy days never stay~心の傷痕~
気が付くと、私はあの公園にいたの。

あそこは彼とよく学生の頃から一緒に過ごした場所だから。

美術館で一緒に絵を見たり、公園の芝生でピクニックしたり。




「陽樹さんが見かけたのは、そのときの私ね。」

「・・・ああ。」

「でも、ごめんなさい。
私、あなたに話しかけられたこと覚えてないの。
あの後、どうやって家に帰ったのかも分からないくらいで。」

「そんなこと気にしてないよ。
ただ・・・、進くんの事は妬けるな。」

彼が私の耳を甘噛みしてくる。

「ちょっ・・・と、陽樹さん・・・。まだ話・・・終わって・・・ない。」

「駄目、桜子は俺のものだ。
そのまま話続けて。」

彼はそう言いって、止めてくれない。

もう、・・・いじわる。


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