Rainy days never stay~心の傷痕~
少し時間が経つと、私は進のことを疑いだした。

もしかしたら、学生時代から進と彼女には関係があったんじゃないかって。

私が気付いてなかっただけで、進は私を騙してたんじゃないかって。

今考えれば、そんなことあるわけないのに。

少なくとも学生時代、私と付き合ってるときの進は誠実だった。

そんな所を好きになったんだから。

私は、そんなことばかり考える自分が嫌で仕方がなかった。


それからは、がむしゃらに仕事に打ち込んだ。

私には仕事しかないと思ったから。

もう、男の人を信じるのは止めようって。

ううん、ちょっと違うかな。

私には向いてないと思ったの。

私、昔から人に頼ることが苦手で、自分のことを余り話さないから。

相手にとってはすごく強い人間に見えるみたい。

だから、私よりしっかりしなきゃって気を張ってると、段々疲れちゃうみたいで。

それに人の気持ちは、年月が経てば変わるものだと実感した。

これから何度もこんな気持ちを味わうのは嫌だと思った。

だから、私は現実から逃げた。

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