Rainy days never stay~心の傷痕~
「・・・あいつ、やるな。」

「陽樹さんまで・・・。
本当に私、頭の中真っ白になったんだから。」

「それだけ心配してくれたってことだよな。」

私は彼を見つめた。

「私わかったの。
自分の心が傷付くことなんて、とてもちっぽけなことなんだって。
そんなことより、陽樹さんが私の前から突然いなくなる方がよっぽど怖い。
だって、人の命なんて簡単に終わるのよ。
いつか失くす命なら、大切な人と一緒にいたい。」

私は彼の腕の中でクルッと回り、彼と正面から向き合った。

「私はもう迷わない。
自分の気持ちに正直になるって決めたから。
私は陽樹さんが好き。
だからあなたを信じる。
もっと強くなるって決めたの。
欲しいものは全部手に入れてみせるんだから。」

彼の顔が嬉しい様な、困惑している様な不思議な顔になる。

「参ったな。俺おかしくなりそうだ。
日本に帰って来るまでこんな展開になるなんて全く思ってなかったから。
覚悟して、俺はもう何があっても君を離さないよ。」

彼が私の頬に手を差し伸べる。


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