Rainy days never stay~心の傷痕~
「桜子が口聞いてくれないって、龍之介が嘆いてたよ。」

だって、あんな嘘ついたら当然でしょ。

「当分許すつもりはありません。」

「まあまあ、俺からも頼むよ。許してやって。
今日だって本当のこと言ったら来なかっただろう?
だから黙って連れてきた。」

私は彼を睨みつける。

「陽樹さんはどっちの見方なの?
先輩と同じ扱い、陽樹さんにもしますからね。」

「・・・怖いな。でも俺、龍之介に仮があるから。
あいつが嘘付いてくれなかったら、俺は桜子を取り戻せてなかったかもしれないだろう。」

「・・・それは、そうかも知れないけど・・・。」

「だから、許してやって。頼む。」

彼が私に頭を下げる。

本当にずるいな・・・。

そんなことされたら許すしかないじゃない。

もう、どうでも良くなってきた。

私だけ怒ってて馬鹿みたい。


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