Rainy days never stay~心の傷痕~
そんな先輩を見られただけで、私は満足だ。

でも、この様子だと私がいくら大丈夫って言っても、引き下がってくれそうもない。
 

そこで私は、簡単なお願いをしてみた。

「じゃあ、今度美味しいものでも食べに連れてって下さい。」

「そんな事で良いならいくらでも。」

「本当ですか??ほっぺたが落ちちゃうような美味しい物ですよ。」

私は少し大袈裟に言ってみる。

「わかった、考えておく。」
真顔で答える先輩。

丁度そのとき、始業時間を知らせる音楽が鳴った。

「さあ、仕事始めるとするか。」

吹っ切れたのか、完全にいつもの先輩に戻ってる。

「そうですね。頑張りましょう。」

私たちは今日の業務を始める為、自分の席に戻った。
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