Rainy days never stay~心の傷痕~
私は黙るしかなかった。

だって、何て答えれば良いの??
相手は私の何倍も上手だよ。

「もう遅いからそろそろ切るな。遅い時間にごめん。
メール見たら、どうしても君の声聞きたくなっちゃったから。」

「それは気にしてませんから大丈夫ですけど・・・。」

「そんなこと言ったら、いつでも電話しちゃうよ。」



「・・・もう、またからかって。」
長谷川さん、また笑ってる。

「ごめんごめん、じゃあ、お休み。」

「お休みなさい。」
ここで電話は切れた。


だけど、寝ようとしてベッドに入ってもなかなか寝付けない。

なかなかどきどきが収まらない。

彼に言われた一言一言が脳裏に甦ってくる。

結局、その日は一睡もできなかった。


< 56 / 196 >

この作品をシェア

pagetop