Rainy days never stay~心の傷痕~
「そんなっ、駄目ですよ。
長谷川さんに迷惑かけられないです。」

「俺は迷惑なんて思ってないよ。」


「・・・でも。」




一条さんのことが頭を過ぎった。

「この事に関しては俺、一歩も譲る気ないから。」

こういう時の長谷川さんが頑固なこと、だんだん私も分かってきていた。

「・・・わかりました、お願いします。」

私の降参。

「それでよろしい。」

長谷川さん、満足顔だ。

「じゃあ、帰るか。」

「はい、よろしくお願いします。」

私はペコッと頭を下げる。

その後、無言電話の犯人が捕まるまで長谷川さんは私を送ってくれるようになった。

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