Rainy days never stay~心の傷痕~
言われた通り14階に上がると、目的の部屋の前に人影が見えた。

近づくと、スーツ姿の知らない男性が扉に寄りかかっている。

彼もこちらに気付き振り向く。

「千葉さんですね。神田川の同期で営業の長谷川です。よろしく。」

あっ、さっきのインターホンから聞こえてきた声だ。

彼は私に軽く会釈した。

私も慌てて挨拶をする。

「神田川先輩の後輩で、千葉桜子です。初めまして。」

彼が微笑む。

うわ~、この人絶対モテる。

これが私の彼に対する第一印象だった。

顔は小さく目鼻はクッキリ。
少し中性的な顔立ちをしてるけど、細身の割には筋肉質。
営業という職業上だろうか、程良く日に焼けて健康的。
その上身長も180cm以上はありそうだ。

こんな人、うちの会社にいたんだ。



「どうぞ、中に入って。」

私は彼が開けてくれたドアから中に入った。

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