Rainy days never stay~心の傷痕~
辺りを見渡し私を見つけると、一目散で近付いてきた。

思い切り抱きしめられる。

私の目からは涙が溢れ出した。

「ごめんな、怖い思いさせて。」
耳元で優しく囁く。

私は彼の胸の中で首を横に振った。

「もう大丈夫だから、ずっと側にいるよ。」
 

そう言って、私の頭を優しく撫でてくれる。

私は彼の暖かい胸に心底安心した。

もう恐怖は去ったのだと思えた。

その直後極度の緊張から開放され、私は意識を失った。
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