Rainy days never stay~心の傷痕~
暫くしてカップを両手に持ち、彼が戻ってきた。

私の前に1つを置く。

「紅茶で良かったかな?」

「はい、ありがとうございます。」

私はお礼を言って一口飲んだ。

温かくて心に染みる。

「美味しい。」

思わず呟いてしまった私を見て、彼が微笑みながら頭を撫でてくれた。

そのとき、私は自分の体が汚いことを思いだす。

あの男に触られた身体。

こんな状態で彼に触られたくない。
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