Rainy days never stay~心の傷痕~
それから、体を丁寧に洗い、私はバスルームを出た。

小牧さんが私の部屋から持ってきてくれたスウェットスーツを着て、リビングルームに戻る。

「ありがとうしました。お陰ですっきりしました。」

「そう、良かった。」

ソファに座っている彼はそう言いながら、自分の隣をポンポンと叩く。

私はその場所に腰を下ろした。

部屋着に着替えたラフな格好の彼は、いつものスーツ姿の彼とはまた違う魅力を放っていた。

「これ少し飲んで、落ち着くから。」

彼から茶色い液体の入ったグラスを渡された。

顔を近付けて匂いを確かめると、その液体はウィスキーだった。

私は素直に一口飲む。

体が少し熱くなるのを感じた。
< 87 / 196 >

この作品をシェア

pagetop