新東京オカルト捜査二課
あたしらの紹介パートね
2041年12月2日
 新東京某所、午後四時。 
 
 町内放送のスピーカーから流れるよい子のお帰りチャイムを聞きながら、少女は家に向かっていた。

「ママ!」
「なあに?よし子ちゃん」
「今日からまた一緒なんだよね?」
「ええ」
 傾く夕日に照らされ、のびてゆく影。
「お父さんうそつき」
「うそつき?」
「お母さんもう帰ってこないって言ってたの」
「あらあら。うふふ」

 楽しそうに話す親子からのびる影は。
「はやくかえろっ。かえってお父さんに、うそつきーっていってやるっ」
「ええ、そうね」
「うそつきー!」
「嘘つき!」
 それは…ひとつ。だけ。
 駆け出した少女は、夕闇に消えた。


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