新東京オカルト捜査二課
 三十年前、関東を中心に大規模な地震が日本列島で多発。首都圏に再起不能なダメージを受けた日本は、比較的被害の少なかった北海道を新らしい首都、新東京と名前を改め、各地の復興に励んでいた。
 しかし、地震と同時期に、日本列島では奇妙な事件が増えた。
 妖怪や幽霊、その他化け物の、いわゆるオカルトな存在が犯人である事件である。その対策として、各地の警察に、オカルト捜査課創設された。

 で、ここは先駆けてそのオカルト捜査課が創設された、新東京札幌警察署。の食堂、うまいっしょく堂。
 黒神と白鳥は、向かい合わせにして座っていた。
「君、毎度のことだけど、食費を削るのは感心しないよ」
「うるはいわぬ(うるさいわね)。あんはひわはんへい…ぐ…がぼっふ!(あんたには関係…ぐ…がぼっふ!)」
 黒神の吐き出したチーズのかかったハンバーグの破片たちを、席を立ってひらりと回避する白鳥。
 一緒に回避した唐揚げ定食を黒髪の隣に置く。
「たべないと、背、のびないよ?」
「けほ。う、うっさい!今日はコタローが弁当作り忘れてきただけよ!!」
 白鳥に向かって、びしっとゆびをさす黒神。 
「そっか。ならいいんだ。君には早く大きくなってもらいたいからね」
「だから、あんたには関係ないでしょ!」

「ふふふ。ところで小太郎くんは元気にしてる?」 
「えぇ」
ちなみに、コタロー(小太郎)は、黒神の手下的な何かだ。
「まぁ、小太郎くんのはなしはさておき」
 白鳥は、自分の唐揚げを黒神の皿にうつしている。





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