テディベア(短編)
おままごとの最中テディさんは子供が後ろを向いた瞬間子供の両耳をふさいだ。
子供『ママやめてよ。』
テディさん『わしやで』
子供『えーなにこれ夢みたい。ぬいぐるみしゃべったよママ』
っと子供が叫ぶとテディさんは、子供の口をふさいで
テディさん『誰にも言うなや馬鹿。』
子供は、頷いてテディさんを
びっくりした顔で見つめる。
テディさん『お前何歳なん?』
手をだして5を作る子供
テディさん『5歳か。おかんとかおとんにはわしの声は聞こえないからな。だから秘密や。』
子供『そうなんだ。子供だけなんだ。わかった。』
テディさん『お前のおかんとおとん仲悪いな』
子供『うん。いつもケンカしてて。ケンカきらーい』
テディさん『今日はな、おかんとおとんの大切な日なんよ。お前も手伝えるか?』
子供『うん』
テディさんは、子供にペンと紙を用意させて
テディさん『この辺に、おかんとおとんの絵を描いてみ。』
子供は描きはじめて
子供『できた。』
テディさん『ぷぷぷ。顔が黒いは髪も薄くないか。まあえぇ』
子供『肌色なくして、髪はパパこんなもんだよ。』
テディさんは、子供の後ろにまわり手をとり文字をかいた。
子供『なんて読むの?』
テディさん『うるさいな。集中せい。』
文字を書き終わると、
子供はテディさんを見つめて
あくびをしてその場で
寝てしまった。
耳元でテディさんは、
『これ今日渡すんやで』
テディさんは、子供に言うと
そーっと玄関に行き
ドアを開けて外にでる。
タバコをくわえて
火をつけてテディさんは、
どこかえ歩きはじめる。
父親が帰ると夜ご飯を
食べていた子供と母親。
子供がおもむろに、
紙をだしてきて
二人に見せる。
母親と父親に笑顔が
こぼれて 父親はカバンから
プレゼントを母親に渡す。
母親『覚えてたの?ありがとう。』
子供が渡した手紙には、
『ママパパきょうから、ケンカきんし』と読めるか読めないくらいの文字で書いてあり下には家族三人笑顔の絵が描いてありました。
テディさん『良いことすると疲れるわ。ホッピーでも飲み行こうか?今日は、寒いから熱燗もえぇな』
あなたのそばにお酒臭いテディベアが現れるかもしれない。