祝福された堕天使達
暗い夜道にスニーカーの足跡を二つ響かせ俺たちはゆっくり家路を歩いた。

その帰り道の途中、麻里が話しかけてきた。

「何時からだっけ、こうして銭湯を使わなくなったのって…」

「何時だったかな…俺が派遣社員から正社員になって暫くってのは覚えてるよ。」

「と言う事は、もう5年位って事か。」

そう言って麻里は小走りで俺の前に立ち、こちらを向いた。

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