祝福された堕天使達
「あっ…」

麻里は小さく声を上げた。

俺の手の平に乗った少し小さめのリングケース。

その中にはよく結婚指輪で使われる宝石を詰めていない指輪が入っていた。

「確かに、高い買い物だね。」

そう言って麻里は指輪に手を伸ばした。

「よく考えてみれば、それも無いのにプロポーズしたんだなって思ってさ。あんまり高いのは買えなかったけど…」

「ううん、これで良いよ。私には贅沢過ぎるプレゼントだよ。」

麻里はそう言って嬉しさのあまり涙ぐんでいた。

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