祝福された堕天使達
「麻里、雅人君にお茶を淹れてやってくれないか。」

「えっ?あっ、うん。」

突然の言葉に驚いた麻里だが、要領を得たのかそそくさと部屋を後にした。

麻里が部屋から出るのを確かめた後、恒男さんはその重い口を開いた。

「もう分かっていると思うけど、麻里の事だ。」

「はい…」

俺は静かに返事し、言葉を待った。

「七年もあの子の近くに居るなら分かるとは思うけど、よく自分を責める子だから君が支えになって欲しいんだ。」

「えっ…」

俺はその言葉に疑問を持った。

今までだって麻里の事は支えてきたつもりだしこれからもそのつもりだったのだ。

恒男さんもそれをよくわかっているものだと思っていたが…

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