祝福された堕天使達
「あの頃…七年前の麻里は君と同棲する事になってしまったのを自分のせいだって責め続けていたんだ。雅人君の未来を奪ってしまったとか、私から離れるべきだったとか…。」

「……」

その話を聞いて俺は言葉を返さなかった。

身に覚えがあった。
あれは確か同棲して間もない頃の話だ。

-他に好きな子が出来たら、私を捨てて…-

その言葉を聞いた時、俺は絶句した。

その悲しそうな表情は今でも思い出せる。

ごめん…ごめんね。って言いながら泣き崩れた麻里の背中を、俺は抱いて慰めた。
< 27 / 100 >

この作品をシェア

pagetop