祝福された堕天使達
彼女との交際は長い。

確か七年程になる。

この七年もの間、俺達はずっと恋人同士だった。

(もう、良いんじゃないか?)

何日か前、俺の中でそう呟く声がした。

そんな心の呟きに頷いた自分を自覚した時、俺はある決心をした。

その決心を彼女に告白する為に二人になる場所を考え、この秋風の吹く海を選んだ。

言うなら今だろう。

「麻里…」

「んっ?」

俺の元に近づいてきた麻里の右手に両手を重ね、俺は言った。

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