祝福された堕天使達
「こんばんわ。」

そう丁寧に挨拶したその人物は紛れもなく元クラスメイト、石塚夏美(いしづかなつみ)だった。

セミロングの黒髪と銀縁の眼鏡が印象的で引っ込み思案で大人しいと言う典型的な女の子だ。

今もその雰囲気は残っているようで、挨拶もどこかか細い。

「どうしたの石塚さん?、貴女がこの家に来るなんて珍しい。」

「その…ご婚約おめでとうございます。」

そう言われてあっけらかんとする俺達。

その姿に不安を感じたのか石塚は慌てて喋り始めた。

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