祝福された堕天使達
七年前
数ヶ月後…

二月の寒空の下、降り続いた雪が町を白く染め、今尚降り続いていた。

その風景は場所を移しても変わることは無かった。

電車に揺られ、何度も乗り継ぎ二時間と少しが経った頃、電車は見慣れない風景を窓に映していた。

「こんな場所だったんだね。」

「えっ?」

「渡辺さんの故郷、こんな場所だったんだ。」

麻里はその白銀の風景を見つめそう聞いてきた。

そこは田舎と言っても差し支えがないほど、喉かな町だった。

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