祝福された堕天使達
由衣は俺の事を好いていた。

それは俺も良く知っていた。

いつの日だったか由衣が俺に告白してきた。

イケメンでもない、正直俺の様な普通な男にはこんなチャンスなんか滅多にない。

でも…

「ごめん…」

たったそれだけの返答しか出来なかった。

不器用な餓鬼だったんだ。

-渡辺とは友達のままで居たいんだ。-

それだけ、後それだけ言えれば…何も、何も問題なく終わっていたかもしれない。

「諦めない…。」

「えっ?」

「私は、諦めきれないよ。」

あいつは泣いていた。

「あの時、話しかけてくれた事、私嬉しかったよ。私にもまだ支えはあるんだって。そう思わせてくれたから、一人じゃないんだって、思わせてくれたから。」

< 60 / 100 >

この作品をシェア

pagetop