祝福された堕天使達
「昨日お墓参りに行ったからかな…夢を見たの。渡辺さんが私を叱りつける夢だった。」

「うん…」

家に戻り、こたつとヒーターを点けシャワーを軽く浴びた俺は麻里のいるすっかり暖まった居間に入った。

何とも無しに麻里は話始めた。

「そして言われたの、そんな、そんな曖昧な気持ちで雅人と一緒にいるくらいなら別れてよ、って。」

「曖昧な気持ち?」

俺は麻里のその言葉に疑問を浮かべた。

麻里は俺の事を愛してくれているのをよく知っていた。

そうでなければ、この七年もの間俺の側を離れるなんてない筈だから…


< 70 / 100 >

この作品をシェア

pagetop