祝福された堕天使達
「つまり、麻里を陥れた俺がその責任の為に結婚を申し出たと…そう言いたいんだな。」

そう聞くと麻里は何も言わずに頷いた。

やれやれと言わんばかりに俺は麻里の頭を撫で上げた。

「なぁ麻里、男がプロポーズする時ってのはそんな生半可な事じゃないんだよ。」

俺はそう言ってもう少し強く撫で上げた。

「好きだ、愛してるなんて言葉ならいくらでも言える。でもプロポーズは愛の告白とは訳が違う。」

俺は撫でていた麻里の頭を胸に当て抱き止めた。

「プロポーズするって言うことは、俺の全てをお前に委ねるって事なんだよ。そんな事、本気で好きじゃなけりゃとっても言えないよ。俺だって七年も掛かったんだから…」

「あ…」

麻里の体が微かに震えた。

俺の混じり気の無い告白に麻里は心を振るわせたのかもしれない。

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