祝福された堕天使達
俺もゆっくりと立ち上がり、玄関を出てみた。

外は相変わらず寒かったが、そこに微かな風もなく積もった雪が音を遮断し、しんっと静まり返っていた。

深夜に降り続いていた雪は今は見る影もなく、太陽の直射日光が低い気温を押し返す様に暖かかった。

外に出て日差しを強く浴びた時、麻里も玄関から顔を出した。

「私は、許されたのかな。」

「あいつに、か?」

「うん…」

麻里は自身無さげな表情で聞いてくる。

そんな麻里に俺は答えた。

「本当はもう、許してたんじゃ無いかな。」
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