祝福された堕天使達
早朝は慌ただしく始まった。

結婚式の一通りの流れを聞き、披露宴の中での新郎新婦の回り方等を聞くと、いよいよ着付けが始まる。

初めてのウェディングドレスは軽い素材であしらった薄手のシンプルな物でレンタルの物になった。

披露宴の取り付けをするだけでも精一杯な費用だったため、そこまでの余裕が無かったためだ。

でも残念な気持ちにはならなかった。

長い着付け時間に長い化粧時間を費やし、花嫁姿になった私を鏡で見たとき、まるで自分じゃないかのような気すらしてしまうほど美しい自分の姿に、それだけで元が取れたような気がした。

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