祝福された堕天使達
花嫁が花嫁姿を見せたくなる心境が今はとてもよく分かる。

私も早くまー君に見せてあげたいと思うくらいだ。

「元々美人なので、化粧もあまり時間をかけずに済みました。」

と、メイクを担当していた人に言われた。

あれだけ時間かけてまだ短い方だったのかと、何故かそちらの方が気になった。

「それでは旦那さんにも見せに行きましょうか。待ちくたびれていると思いますので。」

メイクさんは幾つもの新婦を見てきただけあり、私にそう言ってきた。

私は意気揚々とドレスの裾を上げ、まー君のいる部屋へと足を進めようとしたその時だった。

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