愛しい人へ
それからも出過ぎた涙は枯れる事なく、いつの間にか眠ってしまっていた。
「今日は学校休も。」
目は見違える程腫れていた。
「やば。」
鏡の見たことも無い自分に笑う事しかなかった。
ジャー。
冷たい水が腫れている目にしみる。
ピーポーン。
慌てタオルで拭いて鏡でチェックして少しおさまっていたから出た。
「はいはーい。」
ガチャ。
「よぉ!おはよ!」
陽気な声の主はそう。
岡山だった。
「え・・・何で?」
上手くろれつが回らない。
「何でもどーしてもねぇよ!お前が昨日泣いて帰ったから心配して来てあげたんじゃねぇか!」
なんでこんなに心配するんだろう。。。
心配された事の無い私はどういった表示をすればいいのか分からずうつむく。
「おいおい!そんな顔すんなってー!ってか親は?」
家の中を見回す。
「は?いないけど?」
私は当たり前の用に言う。
だって普通だから。
親が家に居ないのなんて。
そしたら岡山の表情が少し変わった気がしたが、またいつもの様にニカっと笑って、
「なぁ家入ってもいい?立ち話もなんだし。」
ったく。こいつは。
「あー。いいよ。」
こっちといって手招きをする。
「うわーお前ん家でかっ!」
いちいち反応する岡山に少し呆れる。
一応自分の部屋に入った。
「・・・。」
沈黙が続く。
「ねぇ!何しに来た訳?」
まだ微妙に腫れた目で笑う。
「お前さぁ。。。ここの家でずっと一人で暮らしてきた訳?」
変な質問。
「え?まーね。」
近くにあった雑誌を手にと取ろうとした時。
ガバっっ
何か暖かいものに包まれた。