愛しい人へ
「次入るね!!」
恥ずかしくて翔の前をバタバタと通り過ぎる。
「おぅ。」
小さな声で呟いた翔の声は脱衣室まで聞こえていた。
チャプン。
あまりに暖かい湯船は気持ちよくて寝てしまいそうになった。
泣いたのがばれない様に何度も顔を洗った。
鏡でもチェックして。
いつも通りの私に戻った。
ガララララ。
暖かかったお風呂から出ると翔はソファーで寝ていた。
少し寒そうだったから毛布を掛けた。
ねぇ翔。
私達にも【終わり】がやってくるのかなぁ。
私達は【永遠】に一緒には居れないのかなぁ。
「ごめんね。私はなんでこんなに弱いんだろうね。」
翔の頭をさわる。
まだ少し濡れている髪からはシャンプーの香りがする。
どうしようもなくテレビをつけた。
その時。