シンデレラlogic
ホントはもっとこうして
軽くでいいから
抱きついててもらいたい…
だけど、
あたしはそっと我慢しておにぃの手をほどいた。
「なんてあたし病院にいるの?」
「あ…あぁ…覚えて…ないか?」
「うん」
覚えてないから聞いてるのに…
おにぃどうしたのかな?
「そっっかぁぁ…」
なぜか
おにぃはぱあっと顔を輝かせ、
あたしを強く抱き締めた。
「意識を失ってた。俺が来たときにはもう…それ以外はわからないけど…思い出さなくていい。辛くなるかもしれないから…」
おにぃ…
「うん…そっか。思い出さないよ!!ありがとう」
あたしは嬉しくて嬉しくて
そのことにしか
頭が向いてくれなくて
なんで
おにぃが顔を輝かせたのかの理由なんて
考える
余裕なんてなかった
いや、
今気付いてたって
結果は一緒だっただろうけど
どうせ
あたしは
おにぃを悲しませるなんて