素直なキミに
「……お……い!聞こえるかぁ?オイッ!!」
は!
ん?あ…れ…車…?
「あれあたしどうし…」
「目ぇ覚めたか」
「へっ!?」
「へっ!?じゃねぇよ。お前タクシーに乗るつもりだったのか?」
「そ…そだけど、でっでもタクシー乗り場にいたはずのあたしがなんでっ…」
「タクシー乗り場でぶっ倒れてた。幸いにもタクシーいなくて良かったな」
ぶっ倒れてたの…?
でも
良かったぁ…
タクシーいなくて。
いたら恥さらしだったわよ…
でも…
「で…だからここはどこなのよ…」
「あぁ。俺の車。」
「はぁ!?」
「はぁて…何だよ俺はお前を助けたんだぜ?」
だってこの車
見るからにベンツ…
しかも革シートで広い…しかも…運転手付き…
「あんた…金持ちなんだ…」
「まーな。俺の父親、後藤田運輸の社長だしな…」
「へっ!?後藤田運輸ぅ!?あのかの有名な後藤田運輸ぅ!?ってかあんた芸名じゃないのね」
「あっあぁ…ってかお前驚き過ぎだろ…(笑)」
「そりゃ驚くわよ!あの有名な後藤田運輸の社長がお父さん…ってか…それならあんた、のんきに俳優してる場合じゃないじゃない!次期社長じゃないの!」
「あぁ…。俳優は趣味だよ(笑)女にキャーキャー言われんの悪くねーもん」
「あんた考え甘いよ!?そんなみんながみんな、キャーキャー言わないわよー」
「ははっ。そうだな」
「うん。そうよ!あっ、例えば…あたしとか!?(笑)ってか…ねぇ!今何時!?」
「ん…?8時。」
「ヤッバーイ!妹たち迎えにいかなきゃっ!!ってか大遅刻よー(泣)」
「妹…?」
「うん!ってかバイバイ!降ろしてくれるのここでいい!」
バンッ
「じゃまた!」
「あっオイッ!!」
チッ…行かれちまった…もっとアイツと一緒に…って…え…?
俺…なんか変だ!!
アイツごときで…