絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
「まさか、天使!?」
ユーリは変な期待を抱きながら、ノックされた自室のドアを開けようとしている。
「天使じゃなかったら、明日の夕食奢ってね」
「え゛!?」
とっさにユーリは閉めようとする。ところが、ドアは向こうから強い力でこじ開けられて、
「やったー!!」
香月は両手を挙げた。
「えっ、ちょっ、まっ、俺、そんな……」
来客を目の前に、慌てふためくユーリ。
「何がやったー?」
「いや、このドアを開けてそこに天使がいたら、夕食を……」
「天使?」
「ユーリさん、幻聴が聞こえるようになったんですって。天使の声」
「そんなんゆーてないやん!!」
「言ったじゃん自分でー(笑)」
「いやでも、このお方はある意味天使よ?」
「……」
一同静まる。
「ある意味ってどういう意味?」
白いバスローブ姿のレイジはユーリをまっすぐ見て聞いた。
「そりゃあもう……ねえ。ほら、この出で立ちが既に!! そんでもって、部屋をね、どうするかも考えなあかんし」
なんで今それ言うかなぁ!?
「部屋?……どうしたい?」
どうしたいって……。
「あのー……」
「うん」
「いや、そのー……」
「愛ちゃん、しっかり」
ユーリは椅子に座って小声で励ましてくれるが、
「ユーリは黙ってて」
と叱られてしまい
「はい……」
と、知らん顔してまたディスプレイと向き合った。
「私、まだレイジさんと付き合うとか決めたわけではないので……」
「なんで?」
レイジは、ここがユーリの部屋であり、本人がそこにいるのにまるでお構いなしで、湯上りの体でベッドにゆっくりと腰かけてきた。
「それが私の今の気持ちです」
ユーリは変な期待を抱きながら、ノックされた自室のドアを開けようとしている。
「天使じゃなかったら、明日の夕食奢ってね」
「え゛!?」
とっさにユーリは閉めようとする。ところが、ドアは向こうから強い力でこじ開けられて、
「やったー!!」
香月は両手を挙げた。
「えっ、ちょっ、まっ、俺、そんな……」
来客を目の前に、慌てふためくユーリ。
「何がやったー?」
「いや、このドアを開けてそこに天使がいたら、夕食を……」
「天使?」
「ユーリさん、幻聴が聞こえるようになったんですって。天使の声」
「そんなんゆーてないやん!!」
「言ったじゃん自分でー(笑)」
「いやでも、このお方はある意味天使よ?」
「……」
一同静まる。
「ある意味ってどういう意味?」
白いバスローブ姿のレイジはユーリをまっすぐ見て聞いた。
「そりゃあもう……ねえ。ほら、この出で立ちが既に!! そんでもって、部屋をね、どうするかも考えなあかんし」
なんで今それ言うかなぁ!?
「部屋?……どうしたい?」
どうしたいって……。
「あのー……」
「うん」
「いや、そのー……」
「愛ちゃん、しっかり」
ユーリは椅子に座って小声で励ましてくれるが、
「ユーリは黙ってて」
と叱られてしまい
「はい……」
と、知らん顔してまたディスプレイと向き合った。
「私、まだレイジさんと付き合うとか決めたわけではないので……」
「なんで?」
レイジは、ここがユーリの部屋であり、本人がそこにいるのにまるでお構いなしで、湯上りの体でベッドにゆっくりと腰かけてきた。
「それが私の今の気持ちです」