絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
美紗都には何も告げず、3人に続いて店を出る。時刻は既に1時を回っていた。とんだ徹夜だ。
「あの、香月さん一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
「え? 写真?」
「あー、この子お気に入りはすぐに写真に撮るのよ。撮ってあげて」
ミサキは仕方なさそうに笑った。
「ネットで流したりしないからさ」
ナツコもふふっと笑う。
「はあ……」
何のお気に入りだ……と思いながら。サエとのツーショットを「はいちーず」のお決まりの文句で撮影される。最新のデジカメだ。しかも売れ筋のピンク。
「ちゃんと保存しときなよ」
「分かってますってー。あ、結構綺麗に撮れてる。いつもミサキさん撮るの下手なんですよー」
「被写体が悪いからよ」
「ひど……あー!!!」
サエがその時、そんな大声を出さなかったら、そんな方向を見ることもなかった。
視線が止まる。
体が硬直する。
心臓だけが、素早く動く。
「あ、ドクター」
ナツコも知っているようだ。
「あれー、こんな時間までお仕事ですか?」
ミサキも。
「今日は先生が来るかなーと思って待ってたんですよぉ」
サエのそれは営業モードというやつなのだろうか?
「あぁ……3人揃って……ホストクラブ?」
榊久司は、目の前の店を見上げて言った。
久しぶりに見た。懐かしいスーツ。榊はこちらに気付きながら、歩み寄って来る。
「はい!! 今日はこんな綺麗なお友達も見つけたんですよー」
「……」
香月は無言で少し顔を下げた。
「ホスト遊びとは……未だにしていたとはな」
バカ……。なんでそんな口ぶりで話すかなぁ、知らない人の前で。
「え、知り合い!?!?」
サエは敬語も忘れて2人を交互に見る。
「あぁ、昔の恋人」
なっ……
「えーーーー!?!?!?!?!?!?!?」
いやもう一番叫びたいのは私です!!
「ほんとに?」
「嘘といえば嘘かもしれないけど」
「えー、ショックー」
サエはさも恨めしそうにこちらを見た。
「じゃあこれで、再会して燃え上がったりするんじゃなーい?」
「あの、香月さん一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
「え? 写真?」
「あー、この子お気に入りはすぐに写真に撮るのよ。撮ってあげて」
ミサキは仕方なさそうに笑った。
「ネットで流したりしないからさ」
ナツコもふふっと笑う。
「はあ……」
何のお気に入りだ……と思いながら。サエとのツーショットを「はいちーず」のお決まりの文句で撮影される。最新のデジカメだ。しかも売れ筋のピンク。
「ちゃんと保存しときなよ」
「分かってますってー。あ、結構綺麗に撮れてる。いつもミサキさん撮るの下手なんですよー」
「被写体が悪いからよ」
「ひど……あー!!!」
サエがその時、そんな大声を出さなかったら、そんな方向を見ることもなかった。
視線が止まる。
体が硬直する。
心臓だけが、素早く動く。
「あ、ドクター」
ナツコも知っているようだ。
「あれー、こんな時間までお仕事ですか?」
ミサキも。
「今日は先生が来るかなーと思って待ってたんですよぉ」
サエのそれは営業モードというやつなのだろうか?
「あぁ……3人揃って……ホストクラブ?」
榊久司は、目の前の店を見上げて言った。
久しぶりに見た。懐かしいスーツ。榊はこちらに気付きながら、歩み寄って来る。
「はい!! 今日はこんな綺麗なお友達も見つけたんですよー」
「……」
香月は無言で少し顔を下げた。
「ホスト遊びとは……未だにしていたとはな」
バカ……。なんでそんな口ぶりで話すかなぁ、知らない人の前で。
「え、知り合い!?!?」
サエは敬語も忘れて2人を交互に見る。
「あぁ、昔の恋人」
なっ……
「えーーーー!?!?!?!?!?!?!?」
いやもう一番叫びたいのは私です!!
「ほんとに?」
「嘘といえば嘘かもしれないけど」
「えー、ショックー」
サエはさも恨めしそうにこちらを見た。
「じゃあこれで、再会して燃え上がったりするんじゃなーい?」