絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
「うん」
「だけど、ちょうど車が来て。相手はすぐに逃げて行った……。そこで、……あの、その車の人がホストの人だったの。それで、助けてくれたお礼は同伴がいいっていうから、お店に行ったの」
「美紗都?」
「うん」
「一成とは?」
「最近は、全然連絡とってない」
「その方がいい」
そんなこと、言える立場じゃないくせに。
「……それで……」
「うん」
「それから、今月になって、車を……もらって」
一瞬、買ったということにしようか迷ったが、あんな高級車買えるはずがないことはすぐにバレる。
「うん」
彼はその点は特に興味がないようだ。
「通勤してたの。だけど、先週の月曜日……、私宛の小包がお店に届いて……。職場のお店に。店長に相談しながら開けたら、中には……
手紙と、精液が入ってた」
彼は無言だ。どんな表情なのか見てみたいが、そんな勇気、今はない。
「気持ち悪くて……怖くて……。その、車に連れ込まれそうになったことも、警察に届けてないって店長に言ったら、その小包のことも一緒に言いに行こうって言ってくれて……その日は、自分の車を置いて店長と一緒に帰ったの」
「どうして?」
意外な質問に視線を上げた。
「どう……してって……」
「自分で車で帰った方が安全なのでは?」
「うん……でも、誰かがついてた方が、駐車場からの間とか危ないとか……多分そんな話だったんだと思う」
「……それで?」
「うん、それで……。次の日、店長に昼間家まで迎えに来てもらって、それから警察に届けて、会社に寄って、自分の車に乗り換えて帰って……」
「うん」
「帰りに、コンビニでお菓子を買って帰ろうと思って……車を停めて、中で買い物をして……、帰ってきたら、警察に呼び止められたの。その……、私の車の登録の確認をしたいって。でも、なんだからパトカーの中でって。
私、もらった車で、なにも知らなかったから、もしかしたら何か不備があるかもしれないと思って……そのまま付いて乗り込んだら……」
「乗り込んだら?」
「気が付いたら、その……その警官の、部屋だった」
「……」
「だけど、ちょうど車が来て。相手はすぐに逃げて行った……。そこで、……あの、その車の人がホストの人だったの。それで、助けてくれたお礼は同伴がいいっていうから、お店に行ったの」
「美紗都?」
「うん」
「一成とは?」
「最近は、全然連絡とってない」
「その方がいい」
そんなこと、言える立場じゃないくせに。
「……それで……」
「うん」
「それから、今月になって、車を……もらって」
一瞬、買ったということにしようか迷ったが、あんな高級車買えるはずがないことはすぐにバレる。
「うん」
彼はその点は特に興味がないようだ。
「通勤してたの。だけど、先週の月曜日……、私宛の小包がお店に届いて……。職場のお店に。店長に相談しながら開けたら、中には……
手紙と、精液が入ってた」
彼は無言だ。どんな表情なのか見てみたいが、そんな勇気、今はない。
「気持ち悪くて……怖くて……。その、車に連れ込まれそうになったことも、警察に届けてないって店長に言ったら、その小包のことも一緒に言いに行こうって言ってくれて……その日は、自分の車を置いて店長と一緒に帰ったの」
「どうして?」
意外な質問に視線を上げた。
「どう……してって……」
「自分で車で帰った方が安全なのでは?」
「うん……でも、誰かがついてた方が、駐車場からの間とか危ないとか……多分そんな話だったんだと思う」
「……それで?」
「うん、それで……。次の日、店長に昼間家まで迎えに来てもらって、それから警察に届けて、会社に寄って、自分の車に乗り換えて帰って……」
「うん」
「帰りに、コンビニでお菓子を買って帰ろうと思って……車を停めて、中で買い物をして……、帰ってきたら、警察に呼び止められたの。その……、私の車の登録の確認をしたいって。でも、なんだからパトカーの中でって。
私、もらった車で、なにも知らなかったから、もしかしたら何か不備があるかもしれないと思って……そのまま付いて乗り込んだら……」
「乗り込んだら?」
「気が付いたら、その……その警官の、部屋だった」
「……」