絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
なんとなく、2人きりになって話題がなくなったので香月は聞いた。
「あ、はい……。何でも優しく教えてくれます」
少し俯いて言う姿が確かに、可愛いといえば、可愛い。
「あの、香月さん」
「はい?」
「……やっぱりいいです」
伏せた表情からは、西野への好意しか読み取れない。
「何ですか?(笑)」
「いえ、いいです……」
直感で、あぁ、西野とのことを疑っているのではないかと思った。だが、そんなこと、事実ではないし、あまり興味はない。
「……」
香月は無言で立ち上がるとテーブルの上をさっと片付けた。小野寺も何も言わない。
実は休憩時間はあと10分ほどあったが、これ以上話したいこともなかったし、何の興味もそそられなかったし。香月は後の10分を午後の休憩に回すつもりで、無言で席を立った。
「あ、はい……。何でも優しく教えてくれます」
少し俯いて言う姿が確かに、可愛いといえば、可愛い。
「あの、香月さん」
「はい?」
「……やっぱりいいです」
伏せた表情からは、西野への好意しか読み取れない。
「何ですか?(笑)」
「いえ、いいです……」
直感で、あぁ、西野とのことを疑っているのではないかと思った。だが、そんなこと、事実ではないし、あまり興味はない。
「……」
香月は無言で立ち上がるとテーブルの上をさっと片付けた。小野寺も何も言わない。
実は休憩時間はあと10分ほどあったが、これ以上話したいこともなかったし、何の興味もそそられなかったし。香月は後の10分を午後の休憩に回すつもりで、無言で席を立った。