絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
香月は場を和ませながらも、
「じゃあ、えっと、吉原さんと、西野さんと、私と玉越さんと……」
「永作来るかな?」
「めかし込んで来るよ」
西野はカップラーメンの手を休めない。
「じゃあ、永作さんと……」
香月の指折りに、玉越は、
「佐伯は?」
「あいつまだ未成年だからな」
西野は何を大人ぶっているのか、眉間に皺を寄せた。
「誕生日きてるから成人してるよ」
「まあ、お子様は却下だ」
「とりあえずそのメンバーにしとく? 永作さんと、吉原さんにはまた会ったときにでも」
香月は西野に確認する。
「西野、吉原に言っといてね」
「これ終わったら言っとく。だけど、ランチの席はよく考えてからにしてくれ」
「そだね……」
香月と西野は、ちら、と玉越を見た。
「違っ……!だから吉原が普通にしてくれれば!!」
「ま、吉原の前に玉さんを置いて……」
「玉さん言うな」
「玉越さんを置いて」
「そうだね。もう、隣は私が行くよ。で、その前が西野さん」
「……まあ、仕方ねーな。永作にかかるよりマシだろ」
「吉原が普通だったら大丈夫」
「だから、吉原の普通にいつも吐くんだろーが」
「あれは普通じゃない!」
「いや、普通だよ(笑) 」
「接客してるときもあれと同じなんだから普通、普通」
「冷蔵庫も洗濯機も買う気にならん」
ここで玉越がジュースを飲みなおして、一旦話題が変わる。
「そういやさあ、香月は今どこ住んでんの? なんか通勤変更届け出してたよな」
「東京マンション」
「ゲ、いいとこ住んでんじゃん!」
「友達に一緒に住もうって誘われてね。あれ、西野さんは? 実家だっけ?」
「俺はラインズマンションの一軒家の方」
「え―!? あれってルームシェアのマンションじゃなくて、一軒家ってことなんだよね!? すごいじゃん!?」
「俺は姉貴の代わりなんだよ。姉貴が友人の妹とかと住んでたんだけど、仕事で単身赴任になったからさ。用心棒ってわけ」
「危険な用心棒だね」
香月は笑った。
「お前なあ、俺が今どんだけ苦労してることか! 最近の若い女は全然そういうデリカシーねーから困るんだよなあ、こっちが! トイレなんかドア開けたまますんだぜ!? どういう教育受けてんだよ! ったく。ゴミ出し、外の掃除、全部俺。汚いことは、俺の役目なんだよ」
「普通じゃん」
玉越はさも面白そうに笑った。
「じゃあ、えっと、吉原さんと、西野さんと、私と玉越さんと……」
「永作来るかな?」
「めかし込んで来るよ」
西野はカップラーメンの手を休めない。
「じゃあ、永作さんと……」
香月の指折りに、玉越は、
「佐伯は?」
「あいつまだ未成年だからな」
西野は何を大人ぶっているのか、眉間に皺を寄せた。
「誕生日きてるから成人してるよ」
「まあ、お子様は却下だ」
「とりあえずそのメンバーにしとく? 永作さんと、吉原さんにはまた会ったときにでも」
香月は西野に確認する。
「西野、吉原に言っといてね」
「これ終わったら言っとく。だけど、ランチの席はよく考えてからにしてくれ」
「そだね……」
香月と西野は、ちら、と玉越を見た。
「違っ……!だから吉原が普通にしてくれれば!!」
「ま、吉原の前に玉さんを置いて……」
「玉さん言うな」
「玉越さんを置いて」
「そうだね。もう、隣は私が行くよ。で、その前が西野さん」
「……まあ、仕方ねーな。永作にかかるよりマシだろ」
「吉原が普通だったら大丈夫」
「だから、吉原の普通にいつも吐くんだろーが」
「あれは普通じゃない!」
「いや、普通だよ(笑) 」
「接客してるときもあれと同じなんだから普通、普通」
「冷蔵庫も洗濯機も買う気にならん」
ここで玉越がジュースを飲みなおして、一旦話題が変わる。
「そういやさあ、香月は今どこ住んでんの? なんか通勤変更届け出してたよな」
「東京マンション」
「ゲ、いいとこ住んでんじゃん!」
「友達に一緒に住もうって誘われてね。あれ、西野さんは? 実家だっけ?」
「俺はラインズマンションの一軒家の方」
「え―!? あれってルームシェアのマンションじゃなくて、一軒家ってことなんだよね!? すごいじゃん!?」
「俺は姉貴の代わりなんだよ。姉貴が友人の妹とかと住んでたんだけど、仕事で単身赴任になったからさ。用心棒ってわけ」
「危険な用心棒だね」
香月は笑った。
「お前なあ、俺が今どんだけ苦労してることか! 最近の若い女は全然そういうデリカシーねーから困るんだよなあ、こっちが! トイレなんかドア開けたまますんだぜ!? どういう教育受けてんだよ! ったく。ゴミ出し、外の掃除、全部俺。汚いことは、俺の役目なんだよ」
「普通じゃん」
玉越はさも面白そうに笑った。