絡む指 強引な誘い 背には壁 Ⅰ
「そうですか? そんな、特にいいことがあったわけでもないんだけどな」
「うん……そういえば、玉越と仲いいけど一緒に食事に行ったりしてるのか?」
「うーん、あんまりないかな……。あんまりないですよ。皆で申請出すことはありますけど……あんまりよしえさんは入ってないかな……。大人ですよね。だから、多分、もっと大人の友達といる方が楽しいんじゃないかなー」
「……店にそんな人いたかな……」
「いや、お店の人じゃないと思います。他のお店の人とかプライベートの人だと思いますけどね、ここは若い人が多いじゃないですか。だからあんまり……」
「ふーん」
実はもう車はとっくに停車していた。
「この前」
まだ話あるのか……。
「玉越と男の人がいたとこ見たような気がするんだけどなあ。遠目だったから本人かどうかも分からなかったし、そんな状態で本人に聞いても無視されそうだから何も聞いてないけど(笑)」
「そんなことないですよ(笑)。でも、彼氏の話とかは全然聞いたことないですね……」
今度は玉越を狙っているのか……。
「まあもういい年といえばそうだけどな」
「それ言ったら確かに無視されるかも(笑)」
そう言いながらシートベルトをはずしてようやくバックを手に持つ。
「……そうだな。じゃぁ、また明日」
「明日、私は休みです(笑)」
「あ、そうか……じゃあ、またな。おやすみ」
「おやすみなさい」
佐藤が香月の休みを知らなかったのは本当だろうか……。
いや。なにせ、演技には見えなかったし、演技をする必要もない。
「うん……そういえば、玉越と仲いいけど一緒に食事に行ったりしてるのか?」
「うーん、あんまりないかな……。あんまりないですよ。皆で申請出すことはありますけど……あんまりよしえさんは入ってないかな……。大人ですよね。だから、多分、もっと大人の友達といる方が楽しいんじゃないかなー」
「……店にそんな人いたかな……」
「いや、お店の人じゃないと思います。他のお店の人とかプライベートの人だと思いますけどね、ここは若い人が多いじゃないですか。だからあんまり……」
「ふーん」
実はもう車はとっくに停車していた。
「この前」
まだ話あるのか……。
「玉越と男の人がいたとこ見たような気がするんだけどなあ。遠目だったから本人かどうかも分からなかったし、そんな状態で本人に聞いても無視されそうだから何も聞いてないけど(笑)」
「そんなことないですよ(笑)。でも、彼氏の話とかは全然聞いたことないですね……」
今度は玉越を狙っているのか……。
「まあもういい年といえばそうだけどな」
「それ言ったら確かに無視されるかも(笑)」
そう言いながらシートベルトをはずしてようやくバックを手に持つ。
「……そうだな。じゃぁ、また明日」
「明日、私は休みです(笑)」
「あ、そうか……じゃあ、またな。おやすみ」
「おやすみなさい」
佐藤が香月の休みを知らなかったのは本当だろうか……。
いや。なにせ、演技には見えなかったし、演技をする必要もない。