護ってくれるのは・・・

「ちょ、ちょっと!!そこの妖怪。どっか行きなさいよ!!」

『やだね。俺様はもっと強くなりたいんだ。そのためにお前を食う!!』


「キャー!!」


「雪華ちゃん!!」


妖怪に食べられそうになったとき
誰かに突き飛ばされた。

「・・・劉ちゃん?」

『誰だよコイツ。殺すぞ?』

妖怪の目は本気だった。


「雪華ちゃん、今のうちに逃げて・・・。」



『力のないお前に何が出来る?どうせ何も出来ない。黙って殺されるのを見ていろ。』



「雪華ちゃん。お願いだから逃げて!!」


「ヤダ。絶対逃げない。私は・・・劉ちゃんを助ける!!」


『お前みたいな小娘。俺様に勝てるわけないだろ。黙って俺様に食われろ!!』


(天の神、地の神、水の神、さまざまな神様。私に力を貸してはいただけませんか?大切な人を守るための、妖怪を倒す強い力を!!)




『な、なんだ?何が起こった?!や、やめてくれ。ギャーーー。』


私が気づいた時には、
妖怪は跡形もなく消えていた。


「神に愛されている孫・・・か。」


「ばあ様!!あ、あれ?妖怪がいない・・・。ばあ様が倒してくださったのですね。ありがとうございます!!」


「自分のやったことには気づいておらんのか。まったく、たいした孫じゃ。」


「何か申しましたか?」

「なんでもない。それより屋敷を抜け出すとは何事じゃ!!劉くんの目が覚めたら2人ともお説教じゃぞ!!」


「・・・すみませんでした。」









< 41 / 72 >

この作品をシェア

pagetop