ちぇりラボ
序章

櫻と提出期限

―7月某日 PM16:32―


迷う。


「あ、やっべあと30分きった」


迷う迷う。


「んー……んんー」


迷う迷う迷う。

首を左右に傾げてみても、何ら脳内に影響が出ない。

こりゃあ、アレだ。


「っしゃあああああどっちに転んでも恨みナシ!!はぃいいいっ!!」


直感に身を委ねて、『第一志望』と書かれた欄に文字を書き殴る。

その勢いのまま、あたしはすくっと立ち上がり家を飛び出した。

外はちょうど夕日が差し込んでいて、余計にあたしを急かしているように感じる。

とりあえず早く行かなくては。

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