[短編]サンタをワルがやってみた〜愛よ届け〜[クリラバ]
あれは、幼稚園の年長さんの時だった。


「サンタクロースさんが、プレゼントしてくれるのは、おもちゃとか物だからね。お金をお願いしてはダメよ。」

「はぁ〜い。」

クリスマスイブの日、幼稚園の先生が言った言葉に、俺は他の子供達と一緒に笑顔で手を挙げた。

しかし、幼稚園から帰った俺に母親が、

「サト君、さっきサンタクロースさんが来てね、好きな本を買いなさいってお金をくれたの。本屋へ行きましょう。」

と、俺の手を握った。

手を握られている俺は、

『うちにはサンタクロースは来ていない…いや、本当はいないのでは…。』

と、考えていた。
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