全部、私からだった。 ~AfterStory~


 けれど、すかさず身を屈めてその手を掴み、赤根くんはそれを制す。

 恥ずかしくて怖くて。
 普段は全く自覚がないくせに、自分が『女』だということを激しく意識し始めた。



 なんとかして赤根くんの視線から逃れようと、両足をモゾモゾしきりに動かしてみるけれど、そんなことでスカートの裾が下りて来てくれるはずもなく。

「先生、誘ってるの?」

 薄く微笑んでそう言いながら、赤根くんは私の右足、膝上辺りにヒタリと左手をのせる。
 たちまち全身が凍りついたように固まって動けなくなった。

 赤根くんの大きな手は、ゆっくりと味わうように私の足を伝いながら、スカートの中へと向かって移動する。


「赤根くん、お願い……乱暴はやめて」

 必死に口から言葉を押し出して、縋る思いで懇願した。


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