全部、私からだった。 ~AfterStory~


 金縛りにあったように身体の自由が利かない。
 動けないまま、呆然として見上げていると、

「やっぱり――
 こういうことって時間が必要だよね。
 僕たちはまだ、お互いのこと何も知らないし。
 ゆっくりでいいよ、ゆっくり時間をたっぷりかけて僕を見てくれればそれで。
 必ず先生は僕を愛してくれる。
 僕なしでは生きられないぐらいに。
 そう――

 今の僕のように……」

 甘い声音で穏やかに言うと、屈託なく笑った。



 やっぱり、赤根くんは狂っている。


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