全部、私からだった。 ~AfterStory~


「え? ど……どういうことですか?」

 先ほどまでの余裕はどこへやら、焦燥しきって尋ねた。



「赤根くんのお母様、ショックで倒れられたそうよ。
 あなた昨日、一体何をやらかしてきたの?
 酷くご立腹で、金輪際、うちとは関わりたくないっておっしゃってて。
 ほんとにもう、どうしてくれんのよ?」

「昨日、わたしは……」

 どう伝えたら良いかわからず、口籠れば、

「答えられないの? そうよね、答えられる訳ないわよね。
 とにかく謝りに行ってちょうだい、教室へ来るのはその後でいいから」

 と、一方的に捲し立てる。


 どうしよう。りっくんにはここを出るなと言われている。
 けれど、教室をクビになることだけは、何としてでも避けたい。


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