全部、私からだった。 ~AfterStory~


 けれど、リビングの窓から土足で上がり込んで来たのは、私が『もう一度会いたい』と、ただそれだけをひらすらに祈り続けてきた、りっくんだった。


 見間違うはずがない。
 幻聴なんかじゃなかった。



「りっくん!」

 大声で愛しい人の名を呼び走り出そうとしたけれど、赤根くんが私の腰を抱いている両腕にギュッと力を込めたので、前のめりになっただけで一歩も進むことができなかった。


「離してよ! もうあんたたち、お終いなんだからね。
 潔く諦めたら? 諦めろっ!」

 罵言を浴びせながら、身体を全力でブンブン左右に捻って暴れた。


 りっくんは、そんな私に向かって、おもむろにスッと手の平をかざして見せた。

 そのままジッとしていろってこと?
 どうして……


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