全部、私からだった。 ~AfterStory~
「た……田淵じゃないのか? その男」
赤根くんが焦燥しきって漏らすと、りっくんは困ったような苦い笑みを見せ、
「こいつは、本名を名乗れるような男じゃねぇよ。
請け負う仕事は、犯罪まがいのもんばっかだ」
優しく諭すように言った。
「全部、そのガキに依頼されてやったことだ。
首謀者の方が罪は重いはずだろ?
なんで俺だけ……」
赤根くんを指差して、城光寺は言う。
けれどりっくんは、少しも表情変えず、
「未成年の依頼ってどうなんかなぁ。
何なら取り調べの時言ってみれば?」
と冷ややかに返した。