全部、私からだった。 ~AfterStory~


 りっくんに駆け寄って、思い切り抱き付いた。
 もちろん、りっくんはギュウときつく抱き締めてくれた。


「不可能なことやろうとしたって、そんなもん、どんだけ努力したって無駄だろ?
 だったら、自分に出来る方法を考えて、それに全力投球するしかねぇ」

 りっくんが穏やかな口調で言い、埋めている私の顔に伝わる胸の振動と共にそれを聞く。



「僕は……僕はどうしたら」

 赤根くんが苦しそうに弱々しい声を漏らした。

 りっくんの腕の中で、ゆるゆると振り返れば、赤根くんは床に蹲って小さく震えていた。



 赤根くんは今、きっと後悔している。

 何がいけなかったのか、多分、まだはっきりとはわかっていないだろうけれど。
 それでも、自分が間違いを犯したのではないか、という漠然とした不安を抱き始めている。


 私の心がキュッと痛んだ。


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