全部、私からだった。 ~AfterStory~


 りっくんは私の背中に両腕を回してギュウときつく抱き締めた。

 重なった二つの身体は、隙間なんかどこにもないぐらいに密着して。
 どちらの体温かわからないけれど、熱い。

 融けてしまいそうなほどの熱さだけれど、それは、理性も羞恥心も何もかも狂わすほどに官能的だった。



「ん、俺も限界」

 耳元で艶やかに囁いて、りっくんはようやく私の淫らな欲望を満たしてくれた。


 ゾワゾワと騒がしいほどの快楽が全身に広がり、私の身体が弓のように反り返った。



 もう何もかもどうでもいい。

 全てを忘れて、りっくんがくれる甘美な悦びに没頭した。 


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