全部、私からだった。 ~AfterStory~


「違う、りっくん!
 私今日、すっごく疲れてて……」

「ん、わかった。
 その疲れを俺が癒してやる」

 言ってりっくんはそっと唇を重ねた。

 同時に私のブラウスのボタンを左手で器用にポツン、ポツンと外し、欲望に満ちたその手の平は、滑らかに私の鎖骨を撫でながら深く深く侵入。
 やがては私の胸の貧弱な膨らみをすっぽりと包んだ。


 全然わかってない!


 けれど、唇からは吐息なのか唾液なのか、良くわからない熱い何かが流れ込んで来て、私の思考回路をトロリととかす。

 抗えないのだ、わかっている、自覚している。



 私は今日も、
 りっくんの甘美で魅惑的な愛の行為に酔わされる。


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