全部、私からだった。 ~AfterStory~


 まだ湿っているパンツを履いたりっくんは、

「冷てっ、ちんこがくしゃみしそう」

 と言って、可笑しそうに笑った。


 冗談のつもりらしいけど、私の胸はズキリと痛む。

 やっぱり罪悪感があって。
 こんなことなら、最初から素直にりっくんに相談しておけば良かった、と後悔もした。



 私が作った朝食を綺麗に平らげたりっくんは、7時過ぎには身支度を全て終えた。


 いつも遅い出勤の私は、玄関先までお見送り。
 靴を履き終えたりっくんが、私を振り返って、

「いってきます……って。
 なんかこれ、照れるな」

 小首を傾げ、頭をポリポリ掻きながら照れ臭そうに笑う。


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